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小売業 x モバイルアプリ!(3)

2011年05月18日 08:15

シリーズ(?)3回目となった今回は、アメリカの小売業にモバイルアプリが与えている影響についてです。私自身もまだもやもやしている部分が多分にあるので、考えながら書いてみる、という感じです。

まず、モバイルアプリは、消費者が「好きなものを」「好きな方法で」「好きな値段を支払って」「より快適に」買う力を高めている、と考えて最近の変化を整理してみました。

A.好きなものを ⇒目的の商品を探し出す
・携帯で商品のバーコードをスキャンすることで、目的の商品を簡単に見つけることができるようになった(例:Tesco Directや、ATTスキャナ)
・目的の商品の在庫が店にあるか携帯でチェックできるようになった(例:Staplesトイザラズ

B.好きな方法(場所・店)で ⇒必要なタイミングや、実物確認の要否等により最適な方法を選ぶ
・目的の商品が販売されている近隣の店やオンラインショッピングサイトを検索できるようになった (例:ATTスキャナ)
・もっと単純に、あるチェーンの店舗情報を外出先からアプリで検索
・携帯で支払を行って店舗で配送料なしで受取り(例:トイザラズ→最短で購入2時間後に受取可)

C.好きな値段を支払って ⇒製品とサービス(配送・保証等)を考慮して、支払う金額を決める
・複数のリアル店舗チェーンとオンラインショッピングサイトで簡単に価格比較できるようになった(例:ATTスキャナ

D.より快適に
・店内で自分の携帯を使って商品をスキャンし、そのデータを使って無人レジで決済できるようになった(例:STOP AND SHOP
・各種ポイント累計を携帯で確認できるようになった

このように、小売各社は自前で、あるいは提携した企業を通じて、少なからざる資金を投入して消費者に力を与えようとしています。これは相対的に小売業に有利だった情報の非対称性を、自らの手で解消させていく動きです。

なぜ小売企業はわざわざこんな行動に出ているのでしょうか?現時点で私は3つ思い浮かぶことがあります。

まず最初に、この流れは不可避で、自社がやらなければ競合他社や異業種(ウェブサービス・通信等)がこういった機能を提供することが確実だからです。他社に先を越されて消費者を奪われたり、評判を落とすくらいなら、積極的に関わった方が良いという考えが前提としてあります。

次に、小売業にとって本当の意味で販売チャネル戦略が重要になってきたということです。以前からチャネル戦略という言葉は存在していて、実際、10年ほど前にはリアル店舗とオンラインショッピングを連携させる「クリック・アンド・モルタル」という言葉が流行しました。しかし、現実にはオンラインショッピングとリアル店舗の連携具合はそれほど強固なものにはなっておらず、オンラインで注文した商品をリアル店舗で受け取る程度に留まっていました。

しかし、モバイルアプリは、各チャネル間の結合度を飛躍的に高めました。レストランで気に入ったワインを携帯でスキャンして、ネットと近隣店舗で安い方を比較して買ったり、息子の誕生日当日に人気のゲームを携帯で検索、すぐに決済して確保した上で会社帰りに最寄のトイザラスで受取りつつ、店内で娘向けにもおもちゃを購入…なんてことが当り前に行われるようになってきています。このように、顧客にとっては各チャネルの垣根が低くなり、それぞれの利点をうまく組み合わせて買い物することが可能になりました。その時、小売業に求められるのは、トータルで顧客を惹きつけられる、真にシームレスな(継ぎ目のない)買い物体験です。それはモバイルやウェブ上での話に留まらず、携帯を持って動き回る顧客と接点を持ちやすい都市型の小規模店舗を増やす等、リアル店舗側での対応となることもあります。

企業にとって、これは簡単なことではありません。なぜなら、顧客は企業の壁を簡単に飛び越えて購入プロセスを進めるからです。つまり、小売業やそれを取り巻く企業が形成する一種のエコシステムの中で、自社がどのようなポジショニングを行うか、そしてどうやって最後かつ唯一利益をもたらすステップの「購入」を自社で行ってもらうか、について戦略が必要になってきます。

最後に、そして非常に重要なのがモバイル広告の役割です。各種調査で、モバイル広告やクーポンが効果的であるという結果が出ています。位置情報を使って、広告の精度を高めることができるメリットは大きいです。また、広告を出してから受け手がそれを見るまでのリードタイムが短いという意味でも、さらに精度が上がります。小売各社が、便利なアプリを使って顧客の懐に自社広告のスペースを入り込ませたいと強く願っているのは、想像に難くありません。

少しだらだらと長くなりました。今日はこのへんで終わりにします。続きはまた。

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