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音楽販売市場の急激な縮小が示すもの

2011年02月20日 06:48

下のグラフは、過去38年間の世界の音楽業界(楽曲販売)の規模の変遷です。

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この図を見て、何を感じますか?

1985年はCD販売が本格的にスタートした頃ですが、この時点の楽曲販売はテープ中心で約5億ドル(約4150億円)です。これがピークの2000年頃には15億ドル(約1.2兆円)と3倍に拡大します。つまり年率7~8%の高成長率です。そして成長の大部分はCDの販売という形で達成されています。

音楽はそれ以前から人気のある娯楽でしたが、それをお金にするシステムが発達した時代といえます。例えば、日本ではアルバムCDが1枚3000円もし、それほど所得のない若者が小遣いの多くをCDの購入に充てました。それが21世紀に入ってから急激に落ち込み、約3割も減少しました。

近年の市場縮小を見て、「CDの市場縮小を、デジタル配信では補い切れていない」とフォーマットの変遷の影響と読み取る方もいらっしゃるようですが、果たしてそうでしょうか?

確かにダウンロード販売においては、CDのようにアルバム中心でなく、1曲ずつの販売が可能になっている場合が多く、それによる売り上げの縮小もあるでしょう。

しかし、それ以上に重要な要因として、「インターネットをはじめとする娯楽の多様化により、人々、特に若者の娯楽における音楽の相対的な競争力が落ちている」、「違法ファイル共有ソフト/サービスや、(特に新興国・途上国における)海賊版CDの横行による遺失利益が莫大」が挙げられると思います。

前者ですが、インターネットで無料で楽しめるコンテンツが豊富にある時代に、1枚3000円(あるいは15ドル)でCDを大量に販売するというのは相当無理があるように思えます。また、後者については、デジタル時代のコンテンツ販売が、違法コピーと流布を防ぐ仕組みを妥協することによって普及してきた経緯があり、その副作用が出てきていると考えられます。

つまり、音楽というメディアの相対的な競争力の低下と、音楽をお金にするシステムの脆弱化が起こっており、それは「音楽をどのフォーマットで売るか?」という問題以上にインパクトがある話です。

長らく過渡期といえる状況が続いていますが、そろそろ健全な創作活動の継続と両立できる課金モデルを構築しないと、コンテンツ自体の創出が先細りになってしまう危険性があります。そしてその課金レベルは、他の娯楽に対する音楽の競争力を踏まえたものでなければ、単に音楽離れを引き起こすだけになってしまいます。つまり、CD全盛時代のような価格にはできないということです。

一度、無料で手に入れられたものを、後から有料にするのはとても難しいのですが、このグラフはそれを「うまくやる」必要が差し迫っていることを示しているように、私には読めました。

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