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ジョブズなきアップルは革新的企業であり続けられるか?

2011年02月14日 05:10

アップルのCEOスティーブ・ジョブズが、病気療養のため再び休養に入って数週間が経ちました。休養のニュースの後にはアップル株が一時8%下落し、世間がアップルにおけるジョブズの役割を非常に大きいと見ていることが、改めてクローズアップされました。

休養中の経営はCOOのティム・クックが引き継いでおり、もしジョブズが引退する場合には後継者となると目されています。クックは非常に有能な人物と言われており、これまでも製品開発や対外的な発表はジョブズが行っていましたが、それを利益に結び付けるオペレーションは事実上クックが仕切っていたようです。

それでは、ジョブズがいなくなった後のアップルは、クックの指揮のもとで、ライフスタイルを変えるような革新的な製品やサービスを生み出し続ける会社であり続けることはできるでしょうか?教室の6~7割の生徒がラップトップの背面に白いリンゴを誇らしげに浮かび上がらせているような存在であり続けられるでしょうか?

もちろん未来はどうなるかなんて誰にも分かりませんが、アップルマニアの批判を承知で本音を言うと、私はかなり難しいと思っています。(リンゴを投げつけたりしないでください)

その理由は、よく言われる、「ジョブズの持つ天才的なセンスは誰にも代替できない」以外に2つあります。

①組織上の困難

私は、「ジョブズの持つ天才的なセンスは誰にも代替できない」という話は、半分だけ信じています。アップルにはクリエイティブで優秀な社員が大勢働いており、その社員から生み出されたアイデアもたくさんあるだろうと想像しているからです。有名な話として、ジョブズは社員から優れたアイデアが上がってくると、最初はボロカスに批判しておいて、しばらくしてから「良いアイデアを思いついた」と自分の手柄にしてしまう、というのもあります。

さらに経営陣も素晴らしい面々ですから、斬新なアイデアを生み出すことは、今後もある程度可能なのではないでしょうか。そういう意味で、私はジョブズの創造性は、代替可能と考えます

しかし、本当の困難は、アップルがジョブズというカリスマ=絶対権力者の存在を前提とした組織になっていることから来るはずです。

これまでのアップルで、意思決定のプロセスや価値観が、全て「最後はジョブズが決める」ことを前提に構築され、運用されていたことは想像に難しくありません。次のCEOは、どんなに優秀であっても、カリスマ創業者のような、絶対的な信任を受けることはできないので、どうしても複数の人間による意思決定に移行していかざるを得ません(少なくともジョブズ時代と相対的には)。

その場合、経営のスピード感が失われたり、経営陣の中での意見対立が混乱を招く可能性は少なくありません。イノベーションやクリエイティビティと、合議制の相性は、本質的に良くないです。

また、一般社員にとっても、ジョブズは灯台のような役割を果たしていたのではないでしょうか。社員はジョブズを見て、船がおおむねどちらの方向に進むのかを知り、それに向かって仕事をしていたと想像します。そこで提供されていた絶対的な価値観が失われた時、組織はこれまでと異なる仕事の仕方を構築する必要に迫られます。抽象的な書き方ですが、これは相当大きな変化です。

②ブランドマネジメント上の困難

多くの調査やランキングが示している通り、アップルは非常に強力なブランド力を持っています。そのブランド力の少なからざる部分は、ジョブズ個人のカリスマ性とアップルブランドを重ね合わせることで、作られてきました

アップルのヒーローは常にジョブズです。会社として成し遂げてきた数々の偉業も、まるで全てジョブズが発想したかのようなプレゼンテーションを行ってきました。

ジョブズがいなくなった後、これは会社や新経営陣への強烈なプレッシャーになります。新製品がそれほど良くなければ、必ず「ジョブズがいれば…」という目で見られます。これまでなら個性と捉えられていたことも、失敗とみなされるかもしれません。

下の写真は、アメリカのあるウェブサイトが掲載した「ジョブズがいなくなったアップルが、グロテスクな新Macbookを発表して非難を浴びている」パロディニュースです。期待が不安に変わりつつある様子を、分かりやすく示しています。これまでの愛が深かった分、期待に応えられなかったときの反動も大きそうです。(このあたりはマイクロソフトの経営者交代と、今回の件で全く違うところ)

interim-apple-large.jpeg
[画像の元記事:Onion(英語)TechCrunch(日本語)]

・アップルは企業30年説を乗り越えられるか?

私は、企業の寿命30年説が往々にして当たる理由の一つは、創業者(メンバーの場合もあり)の引退に伴って必要とされる、「創業者の存在抜きで、アントレプレナーシップに溢れた、革新的な文化を持つ組織を作る」ことが、非常に困難な作業だからではないかと考えています。

アップルはこれを乗り越えられるでしょうか?一つ、アップルにアドバンテージがあるとすれば、彼らが一度ジョブズを失った経験があることです。1985年に当時ジョブズが連れてきたCEOのジョン・スカリーがジョブズを追放した時のことです。その後、アップルは転落の一途を辿りました。

ジョブズを失った10年間で、アップルが何を学び、それをどう活かすか。今後もアップルから目を離せないのは、間違いありません。

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