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読書メモ:『デザイン思考の仕事術』

2010年12月23日 06:00

前回の「ハイ・コンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代」に続いて、もう一冊、デザイン思考モノで読書しました。

ちょっと脇道にそれますが、新卒の時に某外資系コンサルタント会社(ITではなくてビジネスの方)に入るか迷って、コンサル業について調べたことがあります。その時読んだコンサルの方の本にあった、「新しい業界を担当することになったら、大きな書店に直行して、関連する本を15冊くらい買って、一気に読む。それで業界の概要はかなり掴める」という文章が印象に残っています。結局、その会社は辞退したのですが、新しい分野に興味を持ったら、本を数冊まとめて読むという習慣だけは、今でも残っています。

ということで、今回は「デザイン思考の仕事術」(棚橋弘季著)です。デザイン思考と、それを仕事に活かす方法について、私のような門外漢にも分かりやすい平易な文章で、コンパクトにまとめられた本です。



ここでも、デザインとは一部の才能あるデザイナーの仕事ではなく、「人が生きていく上で何が問題になっているのかを知り、その問題解決に役に立つ道具や手段、しくみを考え、現実に人がそれを利用できるようにする」活動とされています。つまり、モノをデザインするだけでなく、それにより生活、ときには社会がどう変わるかを考えて、提案することがデザイン。人間中心設計の考え方とも言えるようです。

まさに前回の「ハイ・コンセプト」で、これから付加価値を生む仕事とされていた領域ですね。

さて、本の内容でよくまとまっていると思ったのが、下記のチャートです。

design_thinking.png
[53ページ、図5「デザイン思考の仕事のプロセス」より抜粋]

このチャートを見ると、ただ単に頭の中や職場で、製品やサービスを考えるのではなく、問題発見と問題解決の両方で「生活の場」に出ていくことになっています。最初のフィールドワークでは、人類学的なフィールドワークの手法を取り入れた「観察」や「インタビュー」により情報を収集します(理解するのではない)[②]。その情報を基に、複数人でワークショップを開いてブレインストーミングを行い、互いの発想で相互に刺激し合いつつ、問題の把握を行います[③]。その問題に対する解決策を、実際の人をイメージしながら作り上げます[④⑤]。

その時点で製品化してしまうことも多そうですが、そうすると実際のニーズとはかけ離れたものになってしまう可能性があります。そこで一度プロトタイプを作り[⑥]、利用者に使ってもらって評価してもらいます[⑦]。ここが二回目に生活の場に出るところです。そこでもらったフィードバックを基に改善を行います[⑧]。実際には、何度も作っては試してもらうというプロセスを経るので、⑤から⑧は何度もループするのでしょう。

そこまでやって、やっと製品化(またはサービスのリリース)となります。

大事なのは、⑤から⑨までにかかる時間を計画時に考慮しておくことです。この部分が不十分だと、使えない製品、使えないITシステム、分かりにくいサービス、コンテンツのないハードウェアが生まれてしまうからです。確かにその通りだと思います。

ただ、現実にこれを適用しようとすると、解決しないといけない問題もあります。

例えば、企業のITシステム開発であれば、プロジェクトの開始時点で予算と期間をある程度決める必要があります。特に社外に開発を委託する場合は、委託契約時点で発注側は社内決裁が必要になり、そこで予算と期間は必須項目です。⑤から⑧を繰り返すために余裕を持った内容にしたいと担当者が考えれば一歩前進ですが、当然ながらスピード感が求められる現代のビジネス環境では期間短縮のプレッシャーがあり、予算も削減プレッシャーがかかります。そこで理想を求めて期間と予算を「高望み」してしまうと、プロジェクト自体にGOサインが出ない可能性が高くなります。それを恐れて、結局、ぎりぎりの期間・予算で承認を取ってしまい、⑥以降のプロセスは大幅カット…なんてありそうな話ではないでしょうか。

また、ITの例を継続すると、プロトタイプ開発~ユーザーテスト~改善のプロセスを繰り返すこと(IT業界用語で言う、アジャイル開発)が難しい場合もありそうです。小規模なサービスや業務改善なら容易なこのプロセスも、大規模なシステム開発だと、ある変更が他の部分に倍々ゲームで波及したり、スケジュール面で全体への影響が大きくなりすぎたりすることは想像に難くありません。

このあたりは、継続課題ですね。

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