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「起業」って何だろう?

2010年10月29日 09:46

バブソン大学MBAは起業家と起業家を目指す人のためのMBAだ。「Entrepreneur(ship)」や「Start-up」という言葉を「パン」や「牛乳」のような日用品と同じような頻度で見聞きする環境に来て2か月が経った。

Entreprenershipは日本語では起業家精神と訳すのが一般的だ。じゃあ、その「起業」って何なんだろう。

広辞苑を引くと「新しく事業を起こすこと」とある。その事業とは「①社会的な大きな仕事②一定の目的と計画とに基づいて経営する経済活動」が定義だ。足し合わすと、起業とは「新しく①社会的な大きな仕事or②経済活動を起こすこと」であり、起業家とはそれを行う人のことだ。辞書にあるから正しいというわけでなく、僕にとってしっくりくる定義だ。

一方で、日本で「起業」と言う時、それはたいてい新しく「会社」を起こすことであり、「起業家」とは新しく会社を起こす人のことを指していることが多い。僕はそこに違和感を感じる。手段と目的を混同してしまっているように思えるからだ。

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[11月にあるBabson Forum on Entrepreneurship and Innovationのポスター]

僕は、新しく会社を起こすことは起業と同義ではないと思っている。例えばITエンジニアが独立して、企業から発注される仕事を受けるようになるのは、雇用契約が業務委託契約に変わっただけで本質的に新しい経済活動は生まれていない。ITエンジニアは一例に挙げただけで、他の職種でもこのパターンであれば同じことだ。

一方で、既存企業に所属していても新しい経済活動や市場を創りだすこと(人)が多々あるのは、説明を要しないだろう。時にはそれが非常に大きな経済活動(②)であったり、さらには社会的に大きな仕事(①)になることもある。

もちろん新しく会社を設立して、そこで広辞苑的な意味での事業を成功させる人たちもいる。ソフトバンクの孫氏や、楽天の三木谷氏はそうである。僕も彼らを正真正銘の起業家だと思うが、それは事業を生み出したからであって、会社を作ったからではない

僕は広辞苑的な意味での起業家に敬意を表したいし、目標とするところだ。

それを実現するために自分の会社を立ち上げるのか、大きい組織に所属するかは、あくまで手段の問題である。(起業の目的が多額の金銭的な報酬であれば、資本側に立つ必要があるので会社を立ち上げないと目的が達成できないが、僕の一番の興味はそこにはない)

大企業の力が強く、会社を起こすのに厳しいビジネス環境の反動なのか、大企業を辞めて自分の会社を作る、あるいは小さな会社で働くことを称賛する声を意欲的な若者から聞くことが多いのだけど、ポイントはそこじゃないんじゃないだろうか。

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[信号のような教室の窓]

仕事を得てくる人より、仕事を創りだす人の方が立派だ」というのもよく聞く言葉だ。基本的には納得なのだけど、これも同じで、仕事を創りだすということは会社を起こすことと同義ではない。個人事業主なら新規雇用は0だし、会社を立ち上げて従業員5人の会社に育てたとして(すごく大変なことだと思うけど)、単純に考えると創出した雇用は5人である。一方、既存企業で新規ビジネスを成功させて、関連事業が何百人、何千人の雇用を生み出すこともある。

それでも多くの有能で野心に溢れる人たちが大企業を辞めて、自分の会社を設立するのは、現実として高い壁があるからだ。保守的で失敗を恐れる文化や、社内での足の引っ張り合い、経営幹部の無理解など、阻害要因を挙げれば数えきれない。

しかし考えてみれば、僕がバブソンで学んでいることのうち、少なからざる部分はベンチャー企業を立ち上げたからこその制約(成功/成長の阻害要因)を突破するための技術であり考え方だ。それは資金調達に始まり、人材-法律知識-信用等々の欠如、大資本参入の脅威など、こちらの壁も少なくとも日本では結構な高さである。

どちらが目的達成にふさわしいかはケース・バイ・ケースではないだろうか。

少なくとも後者を選んだから、「リスクテイクしていてエライ」というようなイメージ先行の起業(家)礼讃はナイーブ過ぎる。ベンチャー企業を立ち上げることを礼讃するのは、大企業に勤めることを礼讃するのと同じで、ほとんど意味がない。

僕は起業を広辞苑的な意味、つまり「新しい社会的な仕事/事業活動を生み出す」というスコープで捉えている。その中で、既存企業かベンチャーか、というような軸に左右されない「起業のエッセンス」を掴むために2年間を使いたい。それは、安易な成功法則らしき知識ではなく、ただのベンチャー立上・運営のノウハウでもなく、起業家(の卵含む)に囲まれて高揚した気分でもなく、シリコンバレー生態系への憧れでもない、「起業」の成功可能性を最大化するモノである。

ちょっと暑苦しい文章になってしまったが、そんなことを帰宅する車の中で考えていたんである。


■NTTドコモでiモードを立ち上げた夏野剛氏のインタビューから一部抜粋(日経Webサイト)
Q.大企業もベンチャーのような変革を主導できるか。
夏野:iモードは通信業界に対するIT革命だと思っている。競争原理が大きく変わった。大企業による変革が社会的影響は一番大きい。ベンチャーが出てきて大企業が刺激され、その結果として経済全体が活性化する。すべてベンチャーでできるというわけではない。


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