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バーンズ&ノーブルの身売り話はアマゾンに負けたから?

2010年08月06日 09:17

ボストン大学CELOPでのプレMBAで使う教材はバーンズ&ノーブルという書店で買うことになっています。バーンズ&ノーブルとは全米最大の書籍小売チェーンで、年間売上45億ドル(2008年度/単体)というのは紀伊国屋の約4倍です。大学向けの教科書・教材販売も古くから手掛けており、ボストン大学のそばにも店舗があります。

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授業が始まる前週にボストン大学から使用する教材のリストを渡された私たち生徒はバーンズ&ノーブルの教材コーナーに行ってリストの商品を購入しに行きました。しかし、結果は半分が在庫切れということでした。ボストン大学の講師に連絡をしたところ、バーンズ&ノーブルには大学側から事前に必要な教材のリストと数量を伝えてあり、確実に確保してもらう話になっているということでした。それでも書店の返事は「ないものはない」「いつ入荷するかもわからない」から先に進みませんでした。

その後、ボストン大学から再度バーンズ&ノーブルに急ぎで本を確保するように依頼をして1週間程度で入荷予定となったのですが、結局2週間以上経っても入荷されないままでした。その間、大学から最寄駅に行く間にあるとはいえ、私たち生徒は何度も書店を訪れましたが全くの無駄に終わりました。ボストン大学の講師も「申し訳ないが、彼らはいつもこんな感じで私としても…(以下、省略)」とのこと。

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そんな中、今週「米の世界最大書店チェーン売却か 電子書籍台頭…株低迷」というニュースが伝えられました。既存の書籍販売がアマゾン(年間売上240億ドル/B&Nの約5倍)に押されている上に、起死回生の電子書籍NOOKもiPadやKindleといった強力なライバルとの激しい競争の最中で、将来が危ぶまれています。

バーンズ&ノーブルの苦境は、インターネット経由の書籍販売や電子書籍の台頭といった外的な要因について語られることが多いですが、私は先の教材の一件をきっかけに「そもそも彼ら自身にも問題が多いのではないか」と考えるようになりました。(注:以下、ボストン大学近くの店舗での経験から書いています。もし他の店舗を訪れてまた違った印象を受けたら追加で記事をアップしようと思います)

私はアマゾンで年間に数十回は物を買うのですが、それは豊富な読者レビューが参考になったり、関連した書籍をレコメンドしてくれたり、速くて正確な配送に魅力を感じているからです。一方でバーンズ&ノーブル。確かに店舗は高級感があって良い雰囲気ですし、書店内にカフェ(スターバックス)を併設するようにしたのも彼らが始めた試みです。しかしながら、それでもアマゾンのネット書店で本を買うのに比べると、いや、日本で私の好きな丸善本店に比べてもいまいち感は否めません。

例えば、本のレビュー。アマゾンは言うまでもなく、丸善本店でも書店スタッフが気の利いたコメントを本の前に貼って、訪れたお客さんの本選びを助けていますが、バーンズ&ノーブルでは一部そういったコーナーがあるだけで、ほとんどの棚はただ本が置いてある状態。丸善のようなテーマ性を持たせたコーナーの設置や陳列で、活気のある売り場を作る努力もあまり見られません。

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教材の入荷確認に行った時も、他店の在庫の状況や入荷予定もさっぱり分からず、店員も確認しようとする努力をしようともしませんでした(無駄だということを知っているのかもしれませんが)。オペレーションやサービス面でも、ちょっとこれでは、です。一方で、アマゾン(米国)ではネット上で配送状況もかなり細かく分かりますし、変更やキャンセル、ギフト等のオプションも分かりやすい画面表示でほんの数分で完了させることができます。

これでは顧客がどちらを選ぶかは明白です。私にとってもバーンズ&ノーブルは便利な立地にあるのですが、正直いってあまり行こうという気持ちにならないです。これはネット書店vsリアル書店という構図だけでなく、リアル書店としてのバーンズ&ノーブルの魅力の問題でもあるはずです。なぜなら私は東京にいるときは仕事の帰りに丸善本店に寄るのが至福の時間だったのですから。

最後に今回の学びらしきことを書くと、バーンズ&ノーブルが外的環境の変化(ネット書店・電子書籍の出現)にさらされているのは事実ですが、内部にも問題(問題という言葉が強すぎるなら改善の余地)がありそうだということ。そして外的環境の変化が激しいときには、外に目が向いてしまって、内の課題を見過ごしがちなのではないかということです。もちろん書店のレベルとして以前ならこれで十分だったのかもしれませんが、今ならアマゾンの成功から謙虚に学んでより良いサービスを提供することができるはずです。

これは書店だけの話ではありません。例えば、日本の商店街の衰退は大型スーパーの出現によるものとして語られることが多く出店規制論議になったりしますが、そもそも商店街のパパママショップは本当に顧客のニーズに合った店づくりをしてきたでしょうか?リーズナブルな価格で、魅力的な商品を、温かいサービスで提供する努力を続けてきたでしょうか?あるいは、生保業界は新興のネット生保の手法を批判する以前に、既存顧客のニーズ・利益を考えた商品開発やコスト削減努力を行ってきたでしょうか?

このあたりの経営環境の分析手法には様々なものがあり、私もいくらかはかじったことがありますが、バブソンでの2年間ではこれらへの理解を深め、実際のビジネスで使う準備をすることも目的の一つです。

<おまけ>
ボストン大学近くのバーンズ&ノーブルでも1F中央にnookが大々的に展示されていて力の入れようが伝わってきます。私はKindleは人が使っているのを見たことしかないのでiPadと自然と比較することになったのですが、画面の美しさ・使いやすさでiPadの方が圧倒的に優れていると感じました。もちろん価格も全然違いますし、電子ペーパーと液晶画面の違いもあるのですが、iPad/iPhoneを見慣れた後にnookを触ると、これは厳しいかなと思わざるを得ませんでした。

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電子書籍化の流れが加速することは間違いないにせよ、現時点で大部分の売り上げを占める既存ビジネスをできるかぎり競争力のある状態に保っておくことはバーンズ&ノーブルにとっても重要ですし、私がアマゾンをメイン使いつつも丸善に通っていたということはリアル書店にも付加価値を生み出すことができるということです。

なんだかバーンズ&ノーブルに否定的な内容になってしまったのですが、私としてはご近所の大型書店なので頑張ってくれると嬉しいんです、本当に。あるいはボストン以外の店舗はまた違った感じだったりするのでしょうか。

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