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セブン-イレブンと楽天が小規模小売業にもたらしたもの

2010年07月18日 14:47

日本を代表する流通・小売企業をアメリカ人に紹介する機会が私に与えられるなら、セブン-イレブン・ジャパンと楽天はリストに必ず入れる企業です。

留学するにあたって、日本人留学生ということで日本の事例について直接コメントを求めらることもあるだろうと、まずは自分が多少なりとも関わってきた流通小売業について思いを巡らせていると、この両社は似ているところと異なるところが混在していて比較するとなかなか面白いことに気付きました。

まずセブン-イレブン・ジャパン。そもそも日本企業として扱うこと自体に疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、30年ほど前に米国サウスランド社とライセンス契約を結んでイトーヨーカ堂グループの一員としてビジネスを開始してからは、日本で数々のイノベーションを起こして独自の進化を遂げています。そしてその後経営難に陥ったサウスランド社を逆買収しているので、日本のビジネスモデルと言って問題ないと思います。

そのセブン-イレブンが創業からしばらくの間、店舗開発の核としていたのは酒屋をはじめとする、既存の小規模小売店の業態変換でした。大規模なスーパーマーケットの出店が盛んになって競争が激しくなるなか、昔ながらの小規模・零細小売店(いわゆるパパママストア)は経営効率が悪い上に消費者のニーズをとらえきれずに苦戦していました。そんな中、セブン-イレブンはコンビニエンスストアという新しいフォーマットを持ち込んで、本部主導の魅力的な商品開発と物流改革によるコスト削減によって小さな店舗に生き残る道を与えました。その際、店舗はなるべく「画一化」され、どこのセブン-イレブンに行っても同じ品揃え、同じサービスを受けられるようにしました。売れ行きの落ちた商品は速やかに排除され、売れ筋の商品や新商品で常に魅力的な売り場を提供しました。公共料金の収納代行などITを駆使した各種サービスの提供も全国同じように行いました。これらによって顧客に安心感を与え、チェーンとしてのブランドが強化されました。(もちろん個店対応も行われていたのですが、それは画一化されたフォーマットの枠組みの中での話)

一方で楽天。セブン-イレブンの登場から約四半世紀が経ち、インターネット時代の日本で最も成功した流通企業の一つです(もう一つはユニクロ)。楽天市場というインターネット上のモールを運営していますが、その主役は小規模な小売店です。楽天は、特別な技術的知識を持たないそのような店舗でもインターネットで物を販売できるように、わかりやすいインフラを提供してきました(そういう意味では正確には小売業というより、e-commerceのインフラ提供)。その結果、従来のリアルな商圏では採算が合わないけれどもユニークだったりこだわりがある商品を販売している店が、地理的な制約から解放されて日本中を相手に商売をすることができるようになりました。1万人に1人が興味を持つ商品は100万都市でも100人しか顧客がいませんが、インターネットを使えば1万3千人が顧客になって商売が成り立ちます。ロングテールの考え方に基づいて、ニッチな商品を多数扱い続けることも可能になりました。つまり、楽天市場によって店の「独自性」が維持され、また生み出されることになりました。

このようにセブン-イレブンと楽天は、同じ「小規模小売業の活性化」という役割を果たしながらも、その方法論は正反対のものだった、というのが今回のお話でした。どちらが優れているかという話ではなく、リアルとネットの両方の世界での優れた成功例として対比するとなかなか面白いです。

この話はまだまだ掘り下げたり広げたりする余地がいろいろありそうなのですが、今日のところはこのあたりで。

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