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読書メモ:『イノベーション・マネジメント 成功を持続させる組織の構築』 価値の創造と獲得、日本企業の弱点

2012年02月20日 04:19

以前紹介した『イノベーションのジレンマ』が新しい理論で鋭くイノベーションに切り込むような本であるのに対し、この『イノベーション・マネジメント 成功を持続させる組織の構築』(原題は『Making Innovation Work - How to manage it, measure it, and profit from it』)は現役経営者に対して実践的で包括的な指針を示すことを目的として書かれたようです。ということで目から鱗的な話はあまり見当たらないのですが、経営者やマネージャーが実務に反映させるを目的に読む分には、良いのではないでしょうか。サイエンスというよりアートな感じです。

  

ところでこの本でも、イノベーションを考える際に避けて通れない、価値創造(Value Creation)価値獲得(Value Capture)について触れられています。今日は少しこの話を日本企業目線でしてみようと思います。

イノベーションというと新技術開発や、新しいビジネスモデルの発明といった、価値創造を連想する方も多いと思います。しかし、イノベーションを成功させる、つまり世の中にインパクトを与えるためには、それを市場に出し、収益化する必要があります。収益化しない、という手もありますが、継続的にイノベーションを生み出すためには報酬や資金源としてお金が必要というのが一般的です。これが価値獲得です。

価値創造に関して、日本企業はどうでしょうか?今でも多数の技術特許を毎年取得し、また世界に先駆けて独自のビジネスモデルを生み出している日本企業はそれほど悪くない状態のように思えます。競争力のある企業は、伝統的な中央研究所モデルに、オープンイノベーション的要素を取り入れながら、質の高いR&Dを行っています。

一方で、価値獲得のプロセスというのは、創造された価値をマーケティングし、製品化し、改善していくことです。多くの日本企業は、成功しているグローバル企業と比較するとマーケティング面で弱さが見えます。しかし、製造、デザイン、改善のプロセスにおいてはかなり優れた部類に入るでしょう。

そうすると、マーケティングさえなんとかなれば、日本企業はイノベーションをある程度継続的に生み出せるようにようになるか?というと、残念ながらそんなことはなさそうです。私が最も問題だと思っているのは、生み出された技術的発見や知的資産(ビジネスモデル含む)を、真に製品化・市場化に繋げていく部分です。同意してくれる方も少なくないのではないでしょうか。

この「繋ぎ」の部分を成功させるには、2つのアプローチがあるように思えます。

まず、経営トップのリーダーシップによるものがあります。現状の価値観や安易な数値評価により潰されそうになるイノベーションの芽を、トップが責任を持って守っていく。リスクを取って投資する。ソニーがゲーム市場への参入を検討していた際に、プレイステーションの開発を主張する久夛良木氏に、当時トップだった大賀氏が「Just do it!」(注:なぜか英語なのは大賀さんの個性?)とゴーサインを出したのは有名な話です。

もう一つは、プロセスを整備する方法。この本でもコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)や、同一組織に別働隊を作る方法などが書かれていますが、長くなるので今回は省略。

日本企業の成功例は前者、つまりリーダーシップ・パターンが多い。そして、リーダーシップの源泉が創業者・メンバーのカリスマ性であることが多い。ソニー、ホンダ、リクルート、ファーストリテイリング、大塚製薬、セブン-イレブン、ホンダ…経営者の顔が容易に思い浮かびます。これは裏を返すと、創業者以外が強いリーダーシップを発揮し辛くなる要因があり、それがイノベーションを阻害している可能性があるということです。また、プロセスについても、基本的には強いリーダーシップが抵抗に強いプロセスを作るので、創業者世代がそれを作っていないと、後から作るのが難しい。

このあたりがポイントだと思っています。また長くなってきたので、「じゃあ、どうすればいいの?」といった続きはまた今度。

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