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読書メモ:『資本主義はなぜ自壊したのか』 ~中谷巌氏「転向」の書

2012年01月02日 13:29



かつてから「グローバル資本主義」「新自由主義」を積極的に支持してきた著者が、2008年に「転向」し批判側に立つと宣言した際の本。

賛否両論あるようですが、私は興味深く読みました。確かに内容には、一線級の経済学者とは思えない粗さが目立つのですが、本書の主要メッセージである資本主義の欠点については、議論の価値がある論点がいくつか提示されています。特にグローバル資本主義が、必然的に一国内の格差を拡大するようなメカニズムになっているとする主張は読みごたえがありました。(ここでは詳しく書きませんが、「生産と消費の分離」「情報の格差」「政治の失敗」がグローバル化と交わることにより所得の再配分機能が働かない、というのが理由)

この本は出版当時、「転向の書」としてセンセーショナルに売り出されたせいかネットのレビュー欄等で一部誤解があるようですが、著者はグローバル資本主義・自由主義を正面から否定しているのではなく、その根源的な負の側面に目を向け、対応することを説いています。副題にある日本再生への提言や、アメリカ文化論はともかく、この問題提起を理解するのが目的であれば、良書と言えると思います。

今、ヨーロッパは市場・通貨が統合しているにも関わらず、経済政策が分離しているという矛盾から、経済危機が起こっています。一方、この本で論じられているのは、グローバル資本主義の結果として世界の市場が統合しつつあるのに対して、今でも政治や利害対立が国単位であることの矛盾がもたらした格差拡大、不安定な経済、環境破壊です。この本を読んで、私にはこの2つの問題はある種、相似形ではないかという考えが浮かびました。2012年も欧州危機の話題が多いでしょうから、それに合わせて引き続き自分なりに考えていきたいと思います。


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