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中国:前門の賃金上昇、後門の高齢化、非ブラック・スワン的革命

2011年12月26日 03:04

カンボジア・ベトナムなど「新・新興国」進出 日本の中堅・中小 (12/26 日本経済新聞-Web版)

国内の中堅・中小企業が、カンボジアやバングラデシュなど「新・新興国」に生産拠点を築き始めた。中国やタイなどで人件費が上昇しており、新興国への進出メリットが薄れているためだ。豊富な労働力も魅力。インフラ整備などに課題を残しているが、進出企業は衣料品製造のような労働集約産業ばかりでなく、IT(情報技術)分野にも広がっている。

中国の賃金上昇に関するニュースを頻繁に見かけるようになってきました。上の記事にもある通り、年率20~30%で上昇し続けている労働者賃金は、依然として先進諸国より割安であるものの、他の後発の新興国と比べると割高感が出てきています。また、単純な賃金では先進国と比較して「割安」とはいえ、生産移管することによる物流コスト、輸送時間、技術流出、高い離職率、増加している労働争議などのデメリットの方が大きいと考えて、あえて日本やアメリカに生産を戻す企業も現れています。

中国経済は、近年大きく発展を遂げたものの、未だ先進国と比較すると未成熟であり、安い労働力というアドバンテージに頼らざるを得ない状態です。中国政府は、そのアドバンテージが失われる前に高付加価値産業の育成を急いでいます。

もう一つの課題は急速な高齢化です。

1年以上前にこのブログでも書きましたが、中国社会は現在、生産年齢人口の減少、そして急速な高齢化が始まる転換点にあります。これまで生産年齢人口比率の増加と言う形で、経済的に恩恵を受けていた一人っ子政策の歯車が逆回転し始めます。
中国生産年齢人口

中国高齢化

これらの要因を考えると、「逆回転」が加速する前に、経済の高度化や資源の確保などを進め、先進国としての地盤を固めたいと中国政府が考え、そのように行動しているのは自然なことだと思います。中国にとって先進国入りのチャンスは永続的ではなく、今後10年~20年で勝負がつく一発勝負の可能性が高いのですから。

そして、忘れてはいけない政変リスク。インドIT企業Infosysのチェアマンが書いた本では、中国経済を整備されて車線数も多い高速道路、しかしこの先どこかにバンプ(隆起)があると表現しています。問題を数多く抱えながらも民主主義国家であるインドと、遠くない将来に大きな政治的変革を経験するであろう中国を比較した言い回しです。(多分に中国へのライバル心も含まれたトーンの本ですが)



どのような形で体制転換が起こるのか分かりませんが、国の政治・経済を根本から変革することになるので、一旦起こってしまえば、しばらく社会・経済は混乱期に入るはずです。これがいつ起こるか。早期に起これば、上記2つのタイムリミットまでに残された貴重な時間が社会の再構築に費やされてしまう可能性が高いです。

経済でいうブラック・スワンナタリー・ポートマンじゃない方)というのは、事前の予測が困難でインパクトの大きい事象のことを指しますが、中国の民主化(革命)はいつかは高い確率で起こると思われているので、ブラック・スワンですらありません。



日本企業は今年、東日本大震災やタイ洪水で甚大な被害を被りました。サプライチェーンが麻痺し、リスク分散の重要性が改めて認識されました。中国は巨大な市場です。しかし、多くの長期経済予測が示すような単純な成長シナリオに乗っかって事業プランを描くことは、非常に危ういように思えるのです(政変リスクは例外として除外されている)。

幸いアジアには他にも成長著しい国があります。日本企業の多くがアジアを成長のエンジンとして捉えることは必然だとしても、中国一辺倒を避け、リスク分散することの重要性はますます高まっているのではないでしょうか。

※たまに誤解されるので念のために書いておきますが、別に中国嫌いとかそういうのではありませんので、そこのところはご理解よろしくお願いします。

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