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読書メモ:『デザインのデザイン』

2011年11月16日 13:44

長野オリンピックや愛知万博、無印良品やニッカウィスキーなどで活躍されているグラフィックデザイナー、原研哉氏の本。

 

前回含め何度かブログで紹介してきたデザイン思考は、広い意味でビジネスに関わる人を意識した思想であり方法論であるのに対し、原氏のアプローチはもっとビジネスから離れて、デザインの本質を追求するものです。それでも、「デザインとは?」という問いに対する答えが基本的に同じであることに(変な言い方ですが)軽い驚きを感じてしまいました。

私の言葉で下手に言い換えるなんて野暮なことはせずに引用します。

アートは個人が社会に向き合う個人的な意思表明であって、その発生の根源はとても個的なものだ。だからアーティスト本人にしかその発生の根源を把握することができない。そこがアートの孤高でかっこいいところである。(中略)一方、デザインは基本的には個人の自己表出が動機ではなく、その発端は社会の側にある。社会の多くの人々と共有できる問題を発見し、それを解決していくプロセスにデザインの本質がある。問題の発端を社会の側に置いているのでその計画やプロセスは誰もがそれを理解し、デザイナーと同じ視点でそれを辿ることができる。

新規なものを創りだすだけが創造性ではない。見慣れたものを未知なるものとして再発見できる感性も同じく創造性である。

デザインは単につくる技術ではない。(中略)むしろ耳を澄まし目を凝らして、生活の中から新しい問いを発見していく営みがデザインである。人生きて環境をなす。それを冷静に観察する視線の向こうに、テクノロジーの未来もデザインの未来もある

    (引用文の太字強調はback_slangによる)

観察(Observation)を重視するのはデザイン思考と同じです。そして2つ目の引用の「感性」や、3つ目の引用の「新しい問いを発見していく営み」において、個人の能力だけに頼らず、文殊の知恵、つまりブレインストーミング等の手法を使って集団の力を活かしていくというのがデザイン思考のアプローチです。

「問題の発端を社会の側に置いているのでその計画やプロセスは誰もがそれを理解し、デザイナーと同じ視点でそれを辿ることができる」というのは、集団の力(集合知)を活かしたデザインプロセスが現実的な手法である理由をまさに言い当てていると思います。

原氏や他のデザイナーが手掛けてきた案件の具体例も多く、読み物としても面白いので、寒い冬の巣籠り読書にもおすすめです。

(参考リンク)
読書メモ:『デザイン思考の仕事術』
創造性とデザイン思考 ~読書メモ『ハイ・コンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代』

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