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海外企業のリーダーが高給取りな理由

2014年04月01日 06:25

日本企業のリーダー層、つまり経営陣やシニアマネージャー(部長級以上)は、欧米・アジアの企業と比較して所得が低いという調査結果が出ていた。その理由はいくつかあるが、その一つは人事制度に起因している。

多くの日本企業では、人事権は人事部が持っていて、部門の長ですら限られた人事権しか持っていない。例えば、部長が課長の働きに満足していないからクビ、とはなかなかできない。採用も然り。自分が気に入ったとしても、必ずしも採用できるわけではない。

そのためリーダーは与えられたメンバーで戦うことになる。良くも悪くも。リーダーが無能であっても、メンバーの優秀さでカバーされるのが良い方のケースだ。日本企業に勤めた人なら分かると思う。明確な戦略も指示もないし、マネジメントらしいこともしないにも関わらず、チームメンバーが自分たちで考えて行動して、それなりのアウトプットを出すことは珍しくない。

一方、海外企業はこうではない。リーダーは人事権を持っているので、自分の選んだメンバーでチームを組む。メンバーを自分で選べないのに責任は取れないと考える。優れたリーダーは優れたメンバーを集めて、成果を追求する。合理的である。だが、これはダメな方にも作用する。スティーブ・ジョブズの有名な発言にもあるように、Bクラスの人はB・Cクラスの人を連れてくる傾向がある。というか、基本的には優秀でないリーダーは自分より優秀な人を選ばないことが多く、優秀な人もそんな人のところで働くことは敬遠しがちだ。しかもこれは連鎖する。いまいちなDirectorは、もっといまいちなManagerを採用し、そのManagerはさらにいまいちなStaffを連れてくる。結果は言うまでもない。

このように、組織の力がリーダーの器に規定される傾向が日本企業よりずっと強い海外企業にとっては、リーダーの資質が業績に与える影響はより大きい。なので優秀なリーダー層の価値は高まり、報酬の水準が高くなるのは自然なことなのである。
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