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ビジネススクール教育のネットワーク外部性

2011年06月20日 13:53

先日の記事でも書きましたが、MBA1年目では数多くのグループワークが課されました。そこから感じたことをもう一つ。

度々書いているバブソンの特色である企業コンサルティングプログラム「BCAP」。企業コンサルをカリキュラムに取り入れているビジネススクールは珍しくない中で、BCAPが特徴的なのは、これがMBA1年目の最初から始まるからです。一般的には、1年目で学んだことを2年目のコンサルプログラムで実戦、という学校が多いです。

国籍も出身業界も違うMBAに入学したての若者5~6人が集まって、ビジネスについて議論するとどうなるか?なかなか話が噛み合わないのは想像に難くないと思います。「ビジネス」について語っているといっても、それぞれのメンバーの視点は全然違っているので、チームに自分の考えを的確に伝えるのが難しかったのです。

それが学期が始まり、会計・組織論・ファイナンス・法律・戦略論・マーケティング…と一通りの基礎科目を学びながら、同時に顧客とその業界の分析を行っていくにつれ、少しずつコミュニケーションは円滑になり、1年目が終わるころには、短時間でも以前よりずっと有益な議論を行えるようになっていました

その理由は、お互いのコミュニケーションスタイルに馴染んできたというのもありますが、私たちが「共通言語」を身に付けたという事が大きいと思っています。

共通言語というのは、具体的な知識と用語(会計におけるトップとボトム、マトリクス型組織、3C…)であり、ビジネスを眺める切り口=フレームワークの一揃いです。お互いがこれを共有しているという前提が1年をかけて形作られ、それが1ランク上の議論を可能にしてきました

つまり、ビジネススクールの効果は、それによって個々人の能力を向上させるだけでなく、他者(社員、取引先、交渉相手等)とのコミュニケーションを円滑にして、企業・社会全体としての生産性向上もあるということなのだと思います。言い換えると、MBAプログラムを通じて個人の能力が5から10に上がったとして、3人のチームの総合力は15から30ではなく、それ以上に向上するということです。

photo (1)
[大学近所の人気サンドイッチ店]

アメリカでは毎年15万人のMBAホルダーが生まれています。仮に単純に20年を掛けると、300万人のMBAホルダーがいることになります。(きちんと身についている人がどれだけいるかという話は置いておいて)これだけの人数が共通言語を身につけています。また、学位を前提としたMBAプログラム以外でも、各ビジネススクールではミドルマネジメント向け、経営層向けビジネス教育が盛んに行われています。

ネットワーク外部性というのは、そのネットワークに属する人数が多くなればなるほど、1人1人の便益が高まるという現象を指しています。電話や、ビジネス用アプリ(→マイクロソフトOffice)などがその例です。共通言語としてのMBAも、同じように米国の中堅~リーダー層のビジネスパーソンに、「前提が共有されているので、話が通じる、話が早い」という便益を与えているのだと思います。

一方、日本人でMBAを取得するのは国内・海外合わせて年間数千人です。共通言語を身に付ける手段は、必ずしもMBAのような集中的に時間とお金を投入する形でなくてもいいのですが、社内教育がOJT中心であることも影響して、社外・業界外、国際的にも通用するビジネス知識を何らかの形で体系的に学んでいる人はそれほど多くなさそうです。よって、ネットワーク外部性(効果)は、アメリカほど高くありません

何でもアメリカの真似をすればいいという訳ではないですが、ビジネスの知的インフラを整備することは、現代のグローバル化した知識社会において、ますます重要になってきていると思うのです。

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