2011年04月28日 04:30
日米IT業界のホットな話題の一つにモバイルがあります。これはビジネスや社会にとても大きいインパクトを与える話なのですが、(テスト期間中ということもありw)今日はアメリカの流通小売業とモバイルの接点に絞って書いてみます。
下の動画はAT&Tという携帯キャリア会社のAT&Tコード・スキャナーというiPhone向けアプリの紹介ビデオです。英語ですが、動画だけでもだいたいの内容は分かると思います。
2次元バーコード(QRコード)をスキャンしてクーポンや商品説明を出すというのは、日本ではかなり前からあるのですが、私が注目したのは商品バーコードによる価格比較機能です。
長い説明よりも実際に画面の流れをみてもらいましょう。
まず、何でも良いので商品を選びます。今回はうちにあったコーヒー豆を実験台にします(270杯分のアメリカンサイズ!)。

アプリを立ち上げて、側面のバーコードをスキャンします。

読み取ると、ウェブページに移動するか確認があり、Yesをクリック。

商品が表示され、ウェブで比較可能な商品、近隣の販売店舗、コメントの数が表示されます。ウェブを選択。

すると安いもの順で販売サイトのリストが表示されます。価格差ありますね!

一番安かったeBayを選択すると、購入ページに遷移します。

今回は家にあった商品で試しましたが、同じことが簡単に小売店内でも可能です。例えば、Aさんが偶然立ち寄った某大手家電チェーンで、購入予定だったカーナビの充電器を見つけたとします。しかし、価格が31ドルと想定以上に高かったので、その場でバーコードをスキャン。するとアマゾンでは16ドルで販売していることが分かりました。もちろんAさんはそのまま店を立ち去り、すぐにiPhoneからアマゾンで注文しました…ということが起こるわけです。(店内写真撮影を禁止している店もあると思いますが、スキャン行為はどうなんでしょうかね)
このように、消費者の立場からすると素晴らしいアプリなのですが、小売業側からするとたまったものではありません。先日、大学のイベントで某大手ドラッグストアチェーンと某大手オフィスサプライチェーンのオペレーション・IT担当Vice Presidentの方の話を伺う機会があったのですが、「今、あなたたち消費者は私たちが持ってほしくない便利過ぎるツールを手にしてしまってる」といって笑いを誘っていました。ユーモアを交えて話してくれていましたが、これは彼らにとって大問題です。価格情報がリアルタイム&ユビキタスに共有されることで、インターネットの発展以降続いてきた消費者への力の移行がさらに加速することを意味しています。
しかし、そこはさすが一流企業VP。店内でのアプリ使用を禁止するなどという後ろ向き、かつ現実的でない方向に行くのではなく、これは抗うことのできない時代の流れと捉えて、「自分たちがどうモバイルアプリを利用して顧客の懐に入っていくかが重要。最優先分野の一つだ」と話されていました。
既に、今回挙げたAT&T以外にも様々なアプリが提供されていますし、これからも加速していくでしょう。位置情報との連携も進むはずです。リアル店舗だけだった時代から、リアルとインターネットが戦い、協力を模索した時代を経て、両者を繋ぐカギとしてモバイルがどう小売業を変えていくのか。ビジネスチャンスを嗅ぎ付けた多くのスタートアップと既存企業による激しい競争が行われています。
日本ではFacebookやTwitterに代表されるソーシャルメディアを使ったマーケティングが注目されていますが、アメリカでは既に一巡して、差別化要因というよりMUST HAVEになっており、現在の主戦場はモバイルアプリです。
※日本でもバーコードスキャンからAmazonや価格.comのサイトの価格情報を参照するアプリがあるようですが、アメリカほど多くのチェーン・ジャンルの商品で比較可能になってはいないのではないでしょうか?もし既にあれば、ぜひ教えてください。
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2次元バーコード(QRコード)をスキャンしてクーポンや商品説明を出すというのは、日本ではかなり前からあるのですが、私が注目したのは商品バーコードによる価格比較機能です。
長い説明よりも実際に画面の流れをみてもらいましょう。
まず、何でも良いので商品を選びます。今回はうちにあったコーヒー豆を実験台にします(270杯分のアメリカンサイズ!)。

アプリを立ち上げて、側面のバーコードをスキャンします。

読み取ると、ウェブページに移動するか確認があり、Yesをクリック。

商品が表示され、ウェブで比較可能な商品、近隣の販売店舗、コメントの数が表示されます。ウェブを選択。

すると安いもの順で販売サイトのリストが表示されます。価格差ありますね!

一番安かったeBayを選択すると、購入ページに遷移します。

今回は家にあった商品で試しましたが、同じことが簡単に小売店内でも可能です。例えば、Aさんが偶然立ち寄った某大手家電チェーンで、購入予定だったカーナビの充電器を見つけたとします。しかし、価格が31ドルと想定以上に高かったので、その場でバーコードをスキャン。するとアマゾンでは16ドルで販売していることが分かりました。もちろんAさんはそのまま店を立ち去り、すぐにiPhoneからアマゾンで注文しました…ということが起こるわけです。(店内写真撮影を禁止している店もあると思いますが、スキャン行為はどうなんでしょうかね)
このように、消費者の立場からすると素晴らしいアプリなのですが、小売業側からするとたまったものではありません。先日、大学のイベントで某大手ドラッグストアチェーンと某大手オフィスサプライチェーンのオペレーション・IT担当Vice Presidentの方の話を伺う機会があったのですが、「今、あなたたち消費者は私たちが持ってほしくない便利過ぎるツールを手にしてしまってる」といって笑いを誘っていました。ユーモアを交えて話してくれていましたが、これは彼らにとって大問題です。価格情報がリアルタイム&ユビキタスに共有されることで、インターネットの発展以降続いてきた消費者への力の移行がさらに加速することを意味しています。
しかし、そこはさすが一流企業VP。店内でのアプリ使用を禁止するなどという後ろ向き、かつ現実的でない方向に行くのではなく、これは抗うことのできない時代の流れと捉えて、「自分たちがどうモバイルアプリを利用して顧客の懐に入っていくかが重要。最優先分野の一つだ」と話されていました。
既に、今回挙げたAT&T以外にも様々なアプリが提供されていますし、これからも加速していくでしょう。位置情報との連携も進むはずです。リアル店舗だけだった時代から、リアルとインターネットが戦い、協力を模索した時代を経て、両者を繋ぐカギとしてモバイルがどう小売業を変えていくのか。ビジネスチャンスを嗅ぎ付けた多くのスタートアップと既存企業による激しい競争が行われています。
日本ではFacebookやTwitterに代表されるソーシャルメディアを使ったマーケティングが注目されていますが、アメリカでは既に一巡して、差別化要因というよりMUST HAVEになっており、現在の主戦場はモバイルアプリです。
※日本でもバーコードスキャンからAmazonや価格.comのサイトの価格情報を参照するアプリがあるようですが、アメリカほど多くのチェーン・ジャンルの商品で比較可能になってはいないのではないでしょうか?もし既にあれば、ぜひ教えてください。
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