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シリコンバレー企業と人材 ~IDEO、Google、Apple、Facebook、Twitter等を訪問して~

2011年03月21日 11:31

1週間の西海岸滞在を終えて、ボストンに戻る飛行機の中でこの文章を書いています。今回訪れた企業は、デザインコンサルティングファームのIDEO、Apple、Google、Facebook、Twitter、Zappos.com(注:記事末)の6社。それぞれ社員の方にお話を伺いました。その他にもJTPAシリコンバレーカンファレンスへの出席、スタンフォード大訪問等、密度の高い日々でした。

これから数回にわたって、その経験を共有していく予定です。

まずはシリコンバレー(以下、SV。周辺地区含む)における「人材」について。

SVでは、とにかく人材が最も重要な資産として捉えられています。もちろんSV以外でも、日本でも、多くの会社が「わが社は人材を大切にしています」と公言しているのですが、そのレベル感や手段が大きく異なっているのを感じました。以下、ブレイクダウンしてみます。

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[Apple本社前。あいにくの曇り。内部は撮影禁止でした。]

1.高い報酬

SVで働く日本人エンジニアの方々によると、エンジニアの給与は日本とは比較にならないくらい高いとのこと。このあたりは家賃など生活コストも高いのですが、それでも日本よりずっと良い暮らしができるようです。もちろん、その職を得るための競争が激しいのも事実ですが、デキるエンジニアには相応の報酬を払うという、当たり前といえば当たり前のことが、しっかりと行われています。

先日Googleが社員給与を一律10%引き上げたことが話題になりましたが、SVのエンジニア給与は上昇(高騰?)し続けています。ベンチャーならストックオプションも付与されます。優秀なエンジニアに適切な報酬を与えないと、近隣にある他社に引き抜かれる可能性が高いので、市場価値を直接的に反映した報酬体系になります

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[Palo Alto駅の通勤風景]

2.創造性・生産性を最大化するための労働環境

社員にいかに気持ちよく、創造的に働いてもらうかを意識して様々な工夫が凝らされています。

まず今回訪れた会社のほとんどにおいて、カフェテリアでの飲食が無料になっています。それ以外の場所でスナックや飲み物が置いてあり、自由にとることが可能です。

その他にも、ビリヤード台が置いてあったり、広い庭があったり(GoogleやFacebookはオフィスのことをキャンパスと呼ぶ)、オフィス内にスポーツジムがあったり、遊び道具が多数あったりと、仕事中のリフレッシュや他の社員とコミュニケーションを促す環境が、これでもかというくらい整えられています

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[Twitterのカフェテリア。例に漏れず飲食は無料です]

3.自由な服装

ほとんど何を着てもOKな会社が多い様子(特にエンジニア)。さすがに短パンやサンダルは見かけませんが、男性ならTシャツにジーンズあたりが標準的な格好です。スーツでネクタイを締めているような人はまず見かけません。いたら確実に浮きますが、「そうしたければどうぞ」という自由もあります。

少しずれますが、通勤に使った自転車をオフィス室内に駐輪できるのも標準的なようです。

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[IDEOを案内してくれた社員の方と、有名なショッピングカート(後日、記事にします)]

4.オープンなオフィススペース

米国の典型的なオフィスというと、各社員に個室・半個室が与えられている場合が多いようですが、今回訪問した企業はほとんどがオープンなスペースに社員の机が並んでいる形式でした。社員間のコミュニケーションを重視した作りで、日本のオフィスとレイアウト上は似た感じになっています。

また、ソフトウェアエンジニアの多くが27インチくらいの大画面ディスプレイを使用していたのが印象的でした。

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[オンライン靴(アパレル)販売Zappos.comのぶっ飛んでるオフィス風景。写真中央の淡いピンク色のボールの下がCEOトニー・シェイの座席]

5.経営陣との距離

このフラット感は経営陣も例外ではありません。今回、Facebookのオフィスを訪れた際には、マーク・ザッカ―バーグCEOは社員が働くフロアの中央にある透明ガラスに囲まれた会議室で机に腰掛けながらミーティングをしていて、少し後には入口近くの、他の社員と同じごく普通の机でPCに向かって仕事をしていました。Appleのスティーブ・ジョブズは社員で賑わう大食堂でトレーを持って昼食を運んでました。Zappos.comのCEOトニー・シェイは聖パトリックデーのオフィス内仮装行進に緑色の燕尾服で加わり、座席は一般社員の机が並ぶど真ん中にありました。Googleも、組織が大きくなってトップとの直接的なコミュニケーションがやり辛くなってきたものの、今でも金曜夕方にはトップと社員が集まってのカジュアルなミーティングがあり、直接対話する機会が保たれています。

トップの現場主義が、社員との距離を近く保っていて、会社の一体感を生み出しているように感じました。これは社員の満足度にも影響していると思われます。

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[Googleオフィスにあるビーチバレーコート。早朝だったせいか無人]

このようにSVの企業は、優秀な人材を集め、その人材に付加価値の高い創造的な仕事をしてもらうための努力を惜しみなく行っています。そうする理由は主に2つあります。

まず、社員に心地良い環境を整備しないと、デキる人ほど簡単に他の職場に行ってしまうからです。SVの企業は資本集約的なビジネスモデルではないので、人材が命です。流動性の高い労働市場の中で優秀な人材をキープするのは、経営陣にとって至上命題なので、そのための支出(無料カフェテリア、卓球台、恐竜のモニュメント等)は合理的な判断なのです。

次に、SVでは、創造的なアウトプットはリラックスした環境から生まれるというコンセンサスがあることが挙げられると思います。先に述べてきたような空間的な遊びや、Googleの20%ルールに代表される時間的な遊びが、新しいものを生み出すためには必要だと多くの人が考えています。

以上のような、人材へのアプローチは、私が知っている日本企業の環境と大きく異なり、非常に印象的でした。では、どの部分を取り入れて行けば良いのでしょうか?あるいは、どうすれば取り入れることができるのでしょうか?

既に長文になってきたので、手短に書くと、私は労働市場の流動性が重要なキーだと考えています。SVでは人材が自由に動けます。また一方で、米国ではat will雇用と言って、基本的に企業は解雇を自由に行えます。このため、人材と企業の両者に良い意味での緊張感があり、人材を最大限に活かす経営に結び付いているように思えます。(対する日本企業は…以下省略)

また、「楽しく気持よく働くことが良い成果に結びつく」という発想を取り入れることは、個々の企業レベルでも始められることでしょう。長時間労働による生産性低下や、杓子定規で不合理なルールや過剰なテストによる無駄とスピード低下、実力に基づかない組織体系によるモチベーションの低下や不適切な判断。リラックスすることを無駄、遊んでいるとして、想像力の芽を積んでしまうこと。変えられることはあるはずです。

実際に企業を訪問し、社員の方にお話を伺うことで、これらを体感できたのは今回の視察旅行の大きな収穫でした。

(注)Zappos.comはサンフランシスコからラスベガス郊外にオフィスを移転しましたが、この記事ではざっくりSV企業に含めてしまっています。

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