2010年07月30日 13:52
ボストン大学でのプレMBAコースが始まってはや2週間が経ちました。コースが4週間なので約半分が終わったことになります。印象としてはあっという間に過ぎていった感じです。ワークロードはそれほど多いわけではないのですが、生活のセットアップ(IKEAで買った机を組み立てる、等)と並行しているとわりと忙しい毎日です。
では本題。プレMBAではディスカッションやグループワークを通じて、また授業の合間や食事に行ったりした際にいろいろと話をします。そこで感じるのは、「話がとてもスムーズに進む」ということです。
前回のエントリーでも書きましたが生徒のバックグラウンドは国籍が日本・タイ・韓国の東アジア各国+他の数か国と、地域に偏りはあるもののインターナショナル、そして出身業種も金融・メーカー・官庁・ITなど様々で、ほとんどのMBAが強調するいわゆる多様性(Diversity)に富んだ環境です。本来であればそこで多様な価値観を持ったメンバーとのコミュニケーションやリーダーシップの取り方を「苦労して」学んでいくということになっています。
しかしながら、私にとっては日本の他の企業で働く友人と話したり、会社の同期と話すよりもむしろ話が早いと感じることが多いです。決して万全とはいえない英語を使ってコミュニケーションしているにも関わらず、今のところはそういう印象を強く持っています。
これは学生の考え方・価値観に「共通の基盤」のようなものがあるからだと思います。国籍・業種は違えど、アメリカのMBAに価値を見出し、大学の価値観に合った(fit)エッセイを提出し、面接で認められて入学を許可される、という何段階にもわたるフィルターを通過してきた人間が集まっているからこそ、全く異なるバックグラウンドを持っているにも関わらず初対面からある程度スムーズにコミュニケーションを取ることができるのでしょう。もちろんMBAの入学選考にあたっては個性(ユニークさ)をアピールすることが重要なのですが、それはあくまでも最低限の価値観の基盤の上での話だということです。例えるなら、iTunes/iPhoneで動くことを最低限の条件とした上で、アプリのユニークさを競っているようなものです。
この価値観の基盤は、この後のMBAプログラムを通じて強化されていくことでしょう。そして卒業した生徒たちは世界各地の様々な業種でリーダー的な役割を果たしていくことになり、その価値観は世界的にビジネスパーソンのコミュニケーションの基盤となっていく。
アメリカのMBAで学ぶメリットの一つは、この価値観を2年間のプログラムを通じて頭と体で身につける(あるいは理解する)ことができるということだと思います。あまり好きな言葉ではないですが、ビジネス界のグローバルスタンダードな価値観を理解していることは、今後、特に国際的なビジネスを行うにあたってはアドバンテージとなります。日本企業は経験に基づいた独自の方法論に基づいた業務の進め方をすることが多いので、このことはなおさら価値を持ってきます。
一方で、当たり前ですが世界はMBAホルダーだけで成り立っているわけではありません。世界の人口の中では、むしろ圧倒的な少数派です。そこにはMBAの共通基盤に当てはまらない無数の考え方や価値観があり、それが実際に力を持っています。
私を含め、ビジネススクールに入学する学生は、MBAがある意味では極めて限定された人間の間でだけ(すんなりと)通じる価値観に基づいたものであることを意識しておく必要があるのだと思います。間違っても、MBAの世界の常識が誰にでも留保なしに通じるものだと勘違いすることがないようにしなければ手痛いしっぺ返しを受けることになりかねない、そんなことを考えていました。
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では本題。プレMBAではディスカッションやグループワークを通じて、また授業の合間や食事に行ったりした際にいろいろと話をします。そこで感じるのは、「話がとてもスムーズに進む」ということです。
前回のエントリーでも書きましたが生徒のバックグラウンドは国籍が日本・タイ・韓国の東アジア各国+他の数か国と、地域に偏りはあるもののインターナショナル、そして出身業種も金融・メーカー・官庁・ITなど様々で、ほとんどのMBAが強調するいわゆる多様性(Diversity)に富んだ環境です。本来であればそこで多様な価値観を持ったメンバーとのコミュニケーションやリーダーシップの取り方を「苦労して」学んでいくということになっています。
しかしながら、私にとっては日本の他の企業で働く友人と話したり、会社の同期と話すよりもむしろ話が早いと感じることが多いです。決して万全とはいえない英語を使ってコミュニケーションしているにも関わらず、今のところはそういう印象を強く持っています。
これは学生の考え方・価値観に「共通の基盤」のようなものがあるからだと思います。国籍・業種は違えど、アメリカのMBAに価値を見出し、大学の価値観に合った(fit)エッセイを提出し、面接で認められて入学を許可される、という何段階にもわたるフィルターを通過してきた人間が集まっているからこそ、全く異なるバックグラウンドを持っているにも関わらず初対面からある程度スムーズにコミュニケーションを取ることができるのでしょう。もちろんMBAの入学選考にあたっては個性(ユニークさ)をアピールすることが重要なのですが、それはあくまでも最低限の価値観の基盤の上での話だということです。例えるなら、iTunes/iPhoneで動くことを最低限の条件とした上で、アプリのユニークさを競っているようなものです。
この価値観の基盤は、この後のMBAプログラムを通じて強化されていくことでしょう。そして卒業した生徒たちは世界各地の様々な業種でリーダー的な役割を果たしていくことになり、その価値観は世界的にビジネスパーソンのコミュニケーションの基盤となっていく。
アメリカのMBAで学ぶメリットの一つは、この価値観を2年間のプログラムを通じて頭と体で身につける(あるいは理解する)ことができるということだと思います。あまり好きな言葉ではないですが、ビジネス界のグローバルスタンダードな価値観を理解していることは、今後、特に国際的なビジネスを行うにあたってはアドバンテージとなります。日本企業は経験に基づいた独自の方法論に基づいた業務の進め方をすることが多いので、このことはなおさら価値を持ってきます。
一方で、当たり前ですが世界はMBAホルダーだけで成り立っているわけではありません。世界の人口の中では、むしろ圧倒的な少数派です。そこにはMBAの共通基盤に当てはまらない無数の考え方や価値観があり、それが実際に力を持っています。
私を含め、ビジネススクールに入学する学生は、MBAがある意味では極めて限定された人間の間でだけ(すんなりと)通じる価値観に基づいたものであることを意識しておく必要があるのだと思います。間違っても、MBAの世界の常識が誰にでも留保なしに通じるものだと勘違いすることがないようにしなければ手痛いしっぺ返しを受けることになりかねない、そんなことを考えていました。
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